法人税確定申告書の作成手順まとめ

法人の確定申告書では沢山の別表を作成していかなければなりません

法人税と法人都民税、事業税の申告書は別々ですが、関連していますので同時に作成します
いろんなケースが有ると思いますが、今回は一人の会社で1期目の赤字決算の場合の申告書作成手順例です

自分の為の忘備録としてまとめておきます (^^)

法人確定申告書

どれから作成すれば良いかもわかりづらいのですが、書けるところから手をつけるということで、実際に作成していった順番に沿って紹介していきたいと思います (^^)

1.別表2 同族会社等の判定に関する明細書

同族会社とは、上位3順位の株主が発行済み株式数もしくは出資金額の50%超を占めている法人です。この別表2へ記入していくことで判定を行います

私の場合は、一人だけの会社ですので、同族会社となります
下記1-3の記入で同族会社であると判定されるので、3までの記入です

  1. 期末現在の発行済株式の総数又は出資の総額
  2. 上位3順位の株式数又は出資の金額
  3. 株式等による判定

次に10の同族会社の判定割合を記述して、18の判定結果の同族会社を丸で囲み、その下に判定基準となる明細に出資者とその額を記入して完了です

2. 第6号様式別表4の3 均等割額の計算に関する明細書(法人都民税)

法人住民税の均等割額は簡単に計算できます
まずは、事務所の所在地、事務所を有していた月数、従業員の合計数を記入

私の場合、月数は、設立日が1日でないので一期目は11ヶ月分となります
従業員50人以下の年額70000円の11ヶ月分の64100円を記入します

3.別表16(6) 繰延資産の償却額の計算に関する明細書

創立費、開業費の繰延資産の償却を行います
私の場合は、少額だったので一時償却で償却し、明細を記入しました

また、他にも減価償却等があれば、必要な別表16を作成します

また、他にも別表4作成前に損金不算入に該当するものがあればこの段階で作成しておきます
例えば、別表15 交際費等です

4.別表4 所得の金額の計算に関する明細書(簡易様式)

1の当期利益又は当期欠損の額に、決算書の当期の利益又は欠損額を記入します
これを元に申告調整(損金、益金の加算、減算)を行い法人税法上の所得金額を算出します

私の場合は、法人住民税を未払法人税として64100を計上していたので、法人住民税は損金不算入なので加算します

他には加算、減算項目もなかったので、これで別表4の所得金額又は欠損金額が確定です

5.別表7(1) 繰越欠損金の損金算入

決算で欠損金が出てしまった場合は、青色欠損金の繰越控除という欠損金を翌年以降の所得と相殺してくれる制度があり、9年間の繰越が認められています

欠損金を繰越す場合、又は繰越欠損金を当期の所得金額から差引く場合に作成します

過去の欠損、控除、繰越額と当期分を記述しますが、私の場合は、1期目なので、当期分の欠損金額に別表4の48の1の額を記入して、それを翌期繰越額として記入します

6.別表1(1) 普通法人の法人税申告書

別表4で算出した所得金額を基準に法人税を算出します

初めに、申告する会社の情報を記入します

  • 納税地には、会社の所在地を記入します
  • 法人名、代表者、代表者住所、事業種目、資本金額を記入
  • 別表2で判定した同族会社と普通法人に丸印をします
  • 添付する書類の該当するものにも丸印をします
  • 事業年度の日付は既に印刷されているので、その後に 確定 と記入
  • 適用額明細書提出の有無に印を付けます

ここから税額を計算していくわけですが、欠損金がある場合法人税は納めないので計算は不要です。

1の欄に別表4の38の1の金額を記入して、27の欠損金の繰越額に別表7(1)の5の合計額を記入します
2期目以降で黒字なら26に欠損金の当期控除額の記入を行います

下の方に決算確定の日の記入欄が有りますが、通常は株式総会での決算の承認を行った日を記入するようですが、私の場合は株主総会もないので空欄のまま提出しました

また、黒字で法人税額がある場合には、続いて復興特別法人税申告書の別表1,2も作成しなければなりませんが、赤字の場合は作成不要です

7.第6号様式 都民税・事業税・地方法人特別税の申告書

この用紙は右側欄が1から始まっている用紙で、なんか違和感があります (^^)

法人税割額

別表1(1)で算出した法人税額を基準に法人税割額を算出します
1の法人税法の規定によって計算した法人税額欄に、別表1(1)の10の法人税額計を記入します
黒字の場合はこの法人税額を元に法人住民税の法人税割額を算出します

均等割額

既に算出している均等割額を、17-23へ記入します

事業税

次に別表4で算出した所得金額を基準に事業税を算出します
所得金額の計算の内訳 65-72 までを記入します。繰越欠損金の当期控除等を行った場合は、控除前の額を基準に事業税を算出するようです

算出値を33の所得金額総額に記入します

欠損の場合はここで完了ですが、そうでない場合は、これを元に事業税を算出し、その事業税を元に地方法人特別税も算出します

ここまでで、法人税、法人都民税、法人事業税、地方法人特別税が算出されます
赤字決算の場合は、法人都民税の均等割額だけ納税することになります

あともう一息です (^^)
次に、別表5(1),(2)を作成します

8.別表5(1)利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書

貸借対照表の純資産の資本金と利益剰余金です
別表5(1)を作成することで別表4が正しく記載されているか確認できるようです

利益積立金額の計算に関する明細書

別表4の申告調整の留保項目を別表5(1)に記載します
例えば、事業税は損金処理が出来るので納付する場合は、3番以降の空欄に追記します

26の繰越損益金は、株主資本等変動計算書から繰越利益剰余金の前期末残高と当期末残高を転記するので当期末残高を26の3に記入します

27に納税充当金(未払い法人税)額を記入します
29の3,4に均等割の税額を記入します
31の3,4合計額を記入します

資本金等の額の計算に関する明細書

資本金の額と増減があればその額を記入します

9.別表5(2) 租税公課の納付状況の明細

当期に支払った法人税・住民税・事業税等の明細及び当期の確定税額等を記載します

租税公課の納付状況等に関する明細書は、法人税の所得金額を計算する際に確定した決算による当期利益の金額をもとに加算・減算に影響する法人税・住民税等をどんな経理処理の仕方によっても課税される所得金額が同一になるように作られているそうです

決算の処理のやり方により、若干記述が異なってきますが、前期分と当期分の租税公課の金額を記述して計算します(1期目の決算ならば当期分だけの記述です)

また、東京都の場合は、地方税は、道府県民税欄に記入するので市町村民税欄は使用しません

結局、赤字決算なので住民税の均等割の税額を 10の2,6と11の2,6と32,34,42欄に記入しました

10.勘定科目内訳明細書

決算に応じて様々な内訳書を添付しなければならないようですが、私の場合は次の2つを添付しました

  • 内訳書1 預貯金等の内訳書
  • 内訳書14 役員報酬、人件費の内訳書
11.適用額明細書

法人税関係特別措置(特別償却、中小企業者等の軽減税率や中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の損金算入等の税額や所得金額を減少させるもの)の適用を受ける場合には申告書に添付します

 
申告書作成完了

一応ここまでで申告書の作成完了ですが、もう一つ法人事業概況説明書というのを作成しなければなりませんので、記載方法の説明を参考に概況を記入します

これでようやく完成です
書類がたくさんあるので、大変でした (^^)

 

申告書の提出と納税

月末等の混雑する前に済ましておこうと11月13日に税務署へ持参して提出してきました

3人ほど待っていたので、番号札をとり座っていると10分ほどで呼ばれ

初めての法人の確定申告なのですがというと、簡単に書類の有無をチェックして(内容をチェックしたわけではなく)受付印を押した控えを受取りあっというまに終了です

何かあれば後日連絡ということでした

 

次に都税事務所です

こちらは、待っている人もなくすぐに窓口へ案内され
申告書を提出して控えに受付印を押してもらい終了です

納税は、ペイジーで出来ればそうしようと思ったのですが、出来ませんとのことでしたので、申告書についていた納付書に納税額を記入して、都税事務所内にある銀行の出張窓口で現金で納付してきました

帰りがけに、受付のおじさんが、2014年の都税カレンダーをよかったらどうぞというので頂いてきました

税カレンダー

中を見ると納税を忘れないように様々な税の納期限が目立つように記入されているものでした (^_^;)

ようやく確定申告も終わったので、こうしてまとめてみると大したことないような感じですが、基本的な知識があまりなかったので調べ調べしながら1週間ほどかけてようやく出来上がりました

お疲れ様でした (^^)


まとめ記事紹介

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